規格
目次
ボールペンに関するJIS規格
ボールペンに関するJIS規格は油性、水性、ゲルインキボールペンのそれぞれに関するものに分かれており、いずれも対応する国際規格がある。
※2019年7月1日の「産業標準化法」(旧「工業標準化法」)施行に伴い、「日本工業規格(JIS)」は「日本産業規格(JIS)」へと変わっている。2019年6月末日までに発行されたJISについては、まえがきを除き、JIS規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えることになっている。
JIS S 6039:2020 油性ボールペン及びレフィル
この規格は,一般筆記用及び公文書用の油性ボールペン及び油性ボールペン用レフィル(以下,油性ボールペン及びレフィルという。)について規定する。
制定年月日:1963-03-01
最新改正年月日:2020-12-21
対応する国際規格:
- ISO 12757-1:2017 Ball point pens and refills - Part 1:General use
- ISO 12757-2:1998 Ball point pens and refills - Part 2:Documentary use (DOC)
※Part 1は2016年11月、2017年12月に改正され、最新版は第3版となっている。
JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル
この規格は,一般筆記用及び公文書用の水性ボールペン及び水性ボールペン用レフィル(以下,水性ボールペン及びレフィルという。)について規定する。
制定年月日:1987-07-01
最新改正年月日:2020-12-21
対応する国際規格:
- ISO 14145-1:2017 Roller ball pens and refills - Part 1 : General use
- ISO 14145-2:1998 Roller ball pens and refills - Part 2 : Documentary use (DOC)
※Part 1は2016年10月、2017年12月に改正され、最新版は第3版となっている。
JIS S 6061:2020 ゲルインキボールペン及びレフィル
この規格は,一般筆記用及び公文書用のゲルインキボールペン及びゲルインキボールペン用レフィル(以下,ゲルインキボールペン及びレフィルという。)について規定する。
制定年月日:2005-01-20
最新改正年月日:2020-12-21
対応する国際規格:
- ISO 27668-1:2017 Gel ink ball pens and refills - Part 1: General use
- ISO 27668-2:2009 Gel ink ball pens and refills - Part 2: Documentary use (DOC)
※Part 1は2016年10月、2017年11月に改正され、最新版は第3版となっている。
用途による区分
各規格におけるボールペンの規定は、用途により「一般筆記用(General use)」と「公文書用(Documentary use, 略号`DOC')」とに分けられる。公文書用の用途例としては、証拠として必要となる書類の作成がある。そのため、一般筆記用の品質のほかに、文字の読取性の確保、長期保存性及び書類の改ざん防止のための品質が必要となる。ISO規格においてはそれぞれPart 1が一般筆記用、Part 2が公文書用の規格として分けられているが、JIS規格においてはいずれも二つの国際規格を一つのJISとしてまとめている。規格の構成上の変更であり、実質的な差異はない。
※正確には、ISO/IEC Guide 21-1:2005(国際規格及びその他の国際規範文書の地域及び国家採用-第1部:国際規格の採用)に基づく分類は“Modified (MOD)”
一般筆記用と公文書用の品質基準については、主に以下のような差異がある。
- 耐水性試験の条件が一般筆記用は蒸留水又はイオン交換水中に1時間浸せき、公文書用は24時間浸せきと、より厳しい。水性、ゲルインキボールペンの場合、一般筆記用は耐水性に係る表示をするもののみに耐水性試験が課されるが、公文書用では必須となっている。
- 耐光性試験の条件が一般筆記用はブルースケール3級、公文書用はブルースケール5級と、より厳しい。
- 公文書用には耐消しゴム性、耐アルコール性、耐塩酸性、耐アンモニア性、耐漂白性の各試験が課されるが、一般筆記用にはない。
なお、各試験の合格基準は
筆記線が視認できるものとする。(The line shall remain visible)となっており、公文書用の品質基準に適合しているからといって、全く滲まなかったり褪色しないことを保証しているわけではない。
レフィルの形状及び寸法
各規格には、代表的なリフィルの形状及び寸法が定められている。規格票では図表入りで細かく形状・寸法が定められているが、ここでは全長、外径(、尾栓の外径)、ペン先径(チップホルダの直径)のみを記す(単位:mm)。ここに定められた形状及び寸法に準拠したリフィル同士であれば、基本的には互換性がある。
JIS S 6039:2020 油性ボールペン及びレフィル 6 レフィルの形状及び寸法並びに構造
形式記号 | 全長 | 外径 | ペン先径 | 備考 |
---|---|---|---|---|
A1 | 106.8(±0.2) | 3.2(+0 -0.2) | 2.4(±0.02) | BIC替芯 BP0.7 等 |
A2 | 1.6(±0.02) | AURORA ボールペン替芯 No.133、Schneider Express 75 等 | ||
B | 98.2(±0.3)4 | 3(+0.2 -0.1) | 2.28(±0.04) | ゼブラ K芯、パイロット BSRF芯、ぺんてる BKS7H、サクラクレパス R-NOB 等 |
D | 67(+0.3 -0) | 2.35(+0 -0.05) | 2.35(+0.05 -0) | 三菱鉛筆 SXR-200、パイロットBRFS-10、ぺんてる KBXES7、プラチナ SBSP-150S 等1 |
E | 139.0(±1.5) 140(±2)3 |
3(+0.2 -0.1) | 2.25(±0.03) | ゼブラ H芯、OHTO No.47NP、プラチナ BSP-60K、コクヨ K2PRR-NB107 等 |
F | 143.5(±1.5) 143(±2)3 |
2.3(±0.03) | 三菱鉛筆 SA-7N、パイロット BPRF芯、ぺんてる BKL芯 等 | |
G1 | 106.8(±0.2) | 5(±0.05) | 1.6(±0.02) | AURORA ボールペン替芯 No.131、SCHMIDT S 1011、Schneider Express 225 等 |
G2 | 98.1(+0.40 −0.35) | 6(+0.1 -0.2)2 | 2.54(+0.03 -0.04) | PARKER クインクフロー替芯、三菱鉛筆 SXR-600、セーラー 18-0700、プラチナ BSP-400、トンボ鉛筆 BR-EF33、OHTO PS-107NP 等 |
H | A1,A2,B,D,E,F,G1及びG2と形状・寸法の異なるもの。 |
1) 俗に「4C互換」などと言われるが、ゼブラの4C芯(67.0×2.4mm)は規格で定める寸法を若干逸脱しているため、厳密には形式記号Dに該当しない。海外では俗に「D1」などとも呼ばれるが、ISO 12757-1:2017で定義されているのは"type D"であり、D1というtype codeは存在しない。
2) 尾栓部の外径。尾栓部を除くリフィル本体の直径は5.8(±0.1)mm。
3) JIS S 6039:2006とISO 12757-1:1998で数値が異なっていたが、JIS S 6039:2020でISO 12757-1:2017に合わせて改正された。
4) ISO 12757-1:2017では98.2(±0.8)。
上からBIC替芯 BP0.7(形式記号A1)、Schneider Express 75 F(形式記号A2)、ぺんてる BPS7(形式記号B)、パイロット BRFS-10F(形式記号D)、ゼブラ H-0.7(形式記号E)、三菱鉛筆SA-7N(形式記号F)、Schneider Express 225 F(形式記号G1)、PARKER クインクフロー替芯 F(形式記号G2)
日本国内では比較的安価な油性ボールペンには形式記号B、E、Fなど3mm径のリフィルが、比較的高級な多色・多機能ボールペンには形式記号Dのリフィルが広く使われている。形式記号Dのリフィルは海外でも広く使われており、最も互換性の高い油性ボールペン用リフィルの1つとなっている。
ペン先の細いA2/G1は主にヨーロッパで使われている。Schneider K15のような安価な事務用ボールペンには形式記号A2準拠の樹脂芯が入っており、Express 75のような金属芯や、より大容量の形式記号G1のリフィルに交換可能となっている。
形式記号G2のリフィルはPARKER互換の高級ボールペン等で広く採用されており、大容量リフィルとしては最も互換性の高いものとなっている。ISO 27668/JIS S 6061でもゲルインクリフィルとして形式記号G2が規格化されており、DELTAやOHTOから同形状の水性リフィルも販売されていた(いずれも現在は廃番)。
形式記号A1のリフィルはBICのクリックゴールドやクリアクリック等で採用されている。
油性ボールペン用リフィルの中にはOHTOのB-30x芯のように水性A型互換のものや、パイロットのBRFN芯のように水性B型に近い形状のものもある。しかしJIS S 6039の規格上は、これらは形式記号Hに分類される。
JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル 6 レフィルの形状及び寸法並びに構造
形式記号 | 全長 | 外径 | 尾栓の外径 | ペン先径 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
A | 111(±2) | 6.2(±0.1) | 6.3(±0.3) | 2.3(±0.1) | OHTO C-3xx芯、三菱鉛筆 UBR-300、パイロット Lシン、プラチナ SSP-300A、セーラー 83-0300、ゼブラ A-300 等 |
B | 87(±2) | パイロット LNシン 等 | |||
C | 110(±1) | 6.3(±0.15) | - | 2.5(±0.05) | SCHMIDT 888/5888、Schneider Topball 850、パイロット LVKRF-103 等 |
D | A,B,Cと形状・寸法の異なるもの。 |
上からOHTO C-305(形式記号A)、パイロット LNシン-25EF(形式記号B)、SCHMIDT 5888 F(形式記号C)
国内メーカーのリフィル交換可能な水性ボールペンでは形式記号Aに準拠したリフィルを採用している例が多く、海外のローラーボールでは形式記号Cに準拠したリフィルを採用している例が多い。主にヨーロッパで使われていることから後者は"European size"などとも呼ばれる。両者はほぼ同じ全長・外径ではあるがペン先の太さが違うため、海外のローラーボール軸に国産の水性リフィルを入れようとしてもペン先がガタついたり、海外メーカーのローラーボールリフィルを国内メーカーの軸で使おうとしてもチップが先端孔を通らなかったりする場合がある。
形式記号Cのリフィルについては注意が必要で、JIS S 6054では下図の⌀a₁が2.5(±0.05)mm、⌀a₂が2.5(+0.60 -0.05)mm、L₁が9(±0.5)mm、L₂が15(±0.5)mmと、ペン先周りの寸法について細かく定めがある。
(出典:JIS S 6054:2020 表4 レフィルの形状及び寸法)
SCHMIDT 5888(写真上)やSchneider Topball 850(写真中央)では⌀a₁と⌀a₂がほぼ同じ太さとなっているが、パイロットのLVKRF-10(写真下)では⌀a₂部分が樹脂製で3.1~3.3mm程度と一回り太くなっており、厳密には規格で定める寸法を若干逸脱している。このためVボール RTやVコーンノックの軸にSCHMIDT 5888やSchneider Topball 850を入れるのは(ノック式でインクがドライアップしないかどうかはともかく、少なくとも物理的には)問題ないが、LVKRF-10を"European size"のローラーボール軸に入れる場合は⌀a₂部分の太さが問題となる可能性がある。同様の問題は、後述のゲルL型リフィルを"European size"のローラーボール軸に流用しようとする場合にも発生する。
水性ボールペン用リフィルの中にはOHTOのPC-105NP(現在は廃番)のように、油性G2型やゲルG2型互換のものもある。しかしJIS S 6054にはG2型に相当する形状・寸法は規定されていないため、規格上は形式記号Dに分類される。
JIS S 6061:2020 ゲルインキボールペン及びレフィル 6 レフィルの形状及び寸法並びに構造
形式記号 | 全長 | 外径 | 尾栓の外径 | ペン先径 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
J | 111(±1.0) | 5.5(±0.15) | - | 2.3(±0.05) | サクラクレパス R-GB0x(ボールサインNX) / R-GBP0x(ボールサインノック) / R-GBN0x(ボールサイン iD) 等 |
K | 6.1(±0.15) | - | ゼブラ JF芯(サラサ)、三菱鉛筆 UMR-8x芯(シグノ)、ぺんてる LR(N)芯(エナージェル) 等 | ||
L | 6.0(±0.15) | - | 2.5(±0.05) | パイロット LP2RF芯(ジュース)、LG2RF芯(G-2 / G-knock) 等 | |
G2 | 98.1(+0.40 -0.35) | 5.8(±0.1) | 6(+0.1 -0.2) | 2.54(+0.03 -0.04) | OHTO PG-105NP、Caran d'Ache 849 ローラーボール ゲル カートリッジ、MONTEVERDE P42、Schneider Gelion+、VISCONTI A38 等 |
N | J,K,L及びG2と形状・寸法の異なるもの。 |
上からサクラクレパス R-GBP05(形式記号J)、ゼブラ JF-0.5(形式記号K)、パイロット LP2RF-8EF(形式記号L)、Schneider Gelion 39(形式記号G2)
ゲルインキボールペンは後発のため、広く使われている水性A型/C型や油性G2型に準じた形状で規格化されている。そのため、J/K型のリフィルを水性A型用軸に入れたり、L型リフィルを水性C型準拠のローラーボールリフィルの代わりに使ったり、G2型リフィルをPARKER互換の油性ボールペン軸に入れて使ったりできる場合がある。キャップ式の場合は各社独自形状のリフィルを採用している例が多いが、ノック式の場合はJ/K/L型のいずれかを採用している例が多い。また、三菱鉛筆 スタイルフィットやゼブラ サラサセレクトなど油性B型互換サイズのリフィルや、サクラクレパスのR-GBM04/R-LGB04Dのように油性D型互換のリフィルも使われている。しかしJIS S 6061の規格上は形式記号J、K、L、G2のいずれにも該当しないため、これらは形式記号Nに分類される。
筆記線幅及びボールの直径
各規格では、筆記線幅及びボールの直径によって以下のように分類されている。一般的な0.7mmが細字用(F)、0.5mmが極細字用(EF)という点は各規格共通だが、
- 0.6mmは油性では極細字用(EF)扱いだが水性、ゲルインキでは細字用(F)
- 0.8mmは油性では細字用(F)だが水性、ゲルインキでは中字用(M)
- 1.0mmは油性では中字用(M)だが水性、ゲルインキでは太字用(B)
といった違いがある。また、油性や水性でも「超極細」と称する製品はあるが、規格上「超極細字用(UF)」が定義されているのはゲルインキのみである。同様に「極太」や「超極太」と称する製品もあるが、規格上はいずれも「太字用」までである。
JIS S 6039:2020 油性ボールペン及びレフィル 4.3 筆記線幅及びボールの直径による区分
JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル 4.3 筆記線幅及びボールの直径による区分
JIS S 6061:2020 ゲルインキボールペン及びレフィル 4.3 筆記線幅及びボールの直径による区分
筆記線幅による区分 | 記号 | ボールの直径(単位:mm) |
---|---|---|
超極細字用 | UF | 0.40未満 |
極細字用 | EF | 0.40以上0.55未満 |
細字用 | F | 0.55以上0.75未満 |
中字用 | M | 0.75以上1.00未満 |
太字用 | B | 1.00以上 |
一般的には0.38mmと0.4mmはどちらも「超極細」として販売されていることが多いが、規格上は0.38mmは超極細字用(UF)、0.4mmは極細字用(EF)となる。この違いは筆記距離の試験条件に影響を及ぼす。
粘度
各規格では、インクの粘度に関して以下の様に定められている。
油性(S 6039 5.1) | 水性(S 6054 5.1) | ゲルインキ(S 6061 5.1) | |
---|---|---|---|
見かけ粘度 | 1000mPa・s以上 | 20mPa・s未満 | 20mPa・s以上 |
一般的な油性ボールペンの粘度は10000mPa・s以上と言われており、俗に低粘度油性と呼ばれるパイロットのアクロインキでは従来比約1/5、トンボ鉛筆の超低粘smartインクでは1/6以上粘度を低くしている(1500mPa・s)。低粘度油性の主流は1000~1200mPa・s程度とされており、ぺんてるのビクーニャインキに至ってはそれら競合他社製品の更に1/5以下、従来油性の1/40(240mPa・s)まで粘度を下げており、JIS S 6039で定める油性ボールペンインクの品質基準を(意図的に)逸脱している。
ボールペン及びレフィルの品質
各規格では、ボールペン及びレフィルの品質は以下の様な規定に適合しなければならないと定められている。
JIS S 6039:2020 油性ボールペン及びレフィル 5.2 油性ボールペン及びレフィルの品質
品質項目 | 一般筆記用 | 公文書用 |
---|---|---|
筆記性能 | 20cm以内で円滑な筆記が始まり,明らかなかすれ及び濃度のばらつきのない筆記距離は,300m以上とする。 | |
裏抜け | 裏抜けがないものとする。 | |
乾燥性 | 次のa) 又はb) のいずれかとする。 a) 筆記線に汚れが認められないものとする。 b) 転写の形跡が認められないものとする。 |
|
複写性能 | 複写した線が視認できるものとする。 | |
耐水性 | 筆記線が視認できるものとする。 | |
耐光性 | 筆記線が視認できるものとする。 | |
保存性 | 筆記性能に適合するものとする。 | |
耐消しゴム性 | ― | 筆記線が見えなくなる前に試験紙の表面の損傷が明らかに現れるものとする。 |
耐アルコール性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐塩酸性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐アンモニア性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐漂白性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
有害物質a) | 油性ボールペンインキは, アンチモンが60mg/kg以下,ひ素が25mg/kg 以下, バリウムが1000mg/kg以下,カドミウムが75mg/kg以下, クロムが60mg/kg以下,鉛が90mg/kg以下, 水銀が60mg/kg以下,及びセレンが500mg/kg以下とする。 |
|
注a) この品質項目は14歳までの子どもの使用のために設計した,又は明らかに意図して作製したものに適用する。 |
JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル 5.2 水性ボールペン及びレフィルの品質
品質項目 | 一般筆記用 | 公文書用 |
---|---|---|
筆記性能 | 10cm以内で円滑な筆記が始まり,明らかなかすれ及び濃度のばらつきのない筆記距離が400m以上とする。 | |
裏抜け | 裏抜けがないものとする。 | |
乾燥性 | 筆記線に汚れが認められないものとする。 | |
複写性能 | 複写した線が視認できるものとする。 | |
耐水性 | 筆記線が視認できるものとする。(a)) | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐光性 | 筆記線が視認できるものとする。 | |
ペン先乾燥性 | 10cm以内でかすれのない筆記が始まるものとする。 | |
保存性 | 筆記性能に適合するものとする。 | |
耐消しゴム性 | ― | 筆記線が見えなくなる前に試験紙の表面の損傷が明らかに現れるものとする。 |
耐アルコール性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐塩酸性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐アンモニア性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐漂白性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
有害物質b) | 水性ボールペンインキは, アンチモンが60mg/kg以下,ひ素が25mg/kg以下, バリウムが1000mg/kg以下,カドミウムが75mg/kg以下, クロムが60mg/kg以下,鉛が90mg/kg以下, 水銀が60mg/kg以下及びセレンが500mg/kg以下とする。 |
|
注a) 耐水性である旨を表示するものに適用する。 b) この品質項目は14歳までの子どもの使用のために設計した,又は明らかに意図して作製したものに適用する。 |
JIS S 6061:2020 ゲルインキボールペン及びレフィル 5.2 ゲルインキボールペン及びレフィルの品質
項目 | 一般筆記用 | 公文書用 |
---|---|---|
筆記性能 | 10cm以内で円滑な筆記が始まり,明らかなかすれ及び濃度のばらつきがない筆記距離が,筆記線幅に応じて次の規定を満たすものとする。ただし,1本の軸に複数本装填する細い及び/又は短い(4.2で規定する形式記号Nのうち,表4のJのbより細い及び/又はl1より短い)レフィルについては,筆記距離は規定しない。 筆記線幅による区分における筆記距離は,次による。 - 超極細字用(UF):400m以上 - 極細字用(EF):400m以上 - 細字用(F):300m以上 - 中字用(M):150m以上 - 太字用(B):100m以上 |
|
裏抜け | 裏抜けがないものとする。 | |
乾燥性 | 筆記線に汚れが認められないものとする。 | |
複写性 | 複写した線が視認できるものとする。 | |
耐水性 | 筆記線が視認できるものとする。a) | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐光性 | 筆記線が視認できるものとする。 | |
ペン先乾燥性 | 10cm以内にかすれのない筆記が始まるものとする。 | |
保存性 | 筆記性能に適合するものとする。 | |
耐消しゴム性 | ― | 筆記線が見えなくなる前に試験用紙の表面の損傷が明らかに現れるものとする。 |
耐アルコール性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐塩酸性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐アンモニア性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
耐漂白性 | ― | 筆記線が視認できるものとする。 |
有害物質b) | ゲルインキボールペンインキは, アンチモンが60mg/kg以下,ひ素が25mg/kg以下, バリウムが1000mg/kg以下,カドミウムが75mg/kg以下, クロムが60mg/kg以下,鉛が90mg/kg以下, 水銀が60mg/kg以下及びセレンが500mg/kg以下とする。 |
|
注a) 耐水性に係る表示をするものに適用する。 b) この品質項目は14歳までの子どもの使用のために設計した,又は明らかに意図して作製したものに適用する。 |
表示
各規格では、ボールペン又はリフィルには以下の事項を表示することが定められている。
JIS S 6039:2020 油性ボールペン及びレフィル 11 表示
11 表示
この規格の全ての要求事項に適合した油性ボールペン又はレフィルには,本体に次の事項を表示する。ただし,b)~d)は消費者包装単位4)ごとに表示してもよい。
なお,b)は省略してもよい(例1及び例2参照)。
注4) ブリスター包装,スキンパック,1本袋,セット物などの消費者の手元に渡る包装をいう。
a) 製造業者名若しくは供給業者名又はこれらの略号若しくは商標
b) 規格番号
c) 製品名称
d) 種類
1) 用途及び構造による区分:公文書用の場合 は“公文書用”又は“DOC”。一般筆記用で耐水性のものは“耐水性”又は“WR”。
2) レフィルの形状及び寸法による区分:レフィルの形式を示す記号
3) 筆記線幅及びボールの直径による区分:筆記線幅の区分記号及びボールの直径の呼び5)
注5) ここでいう呼びとは,公差をもった狙いの寸法をいう。
e) 製造年月又はその略号
例1) リフィル交換方式で、リフィルの形式がB、かつボール径0.5mmの場合、以下の様な表示になる。
一般筆記用 | 公文書用 |
JIS S 6039 油性ボールペンレフィル B EF JIS S 6039 B EF B EF JIS S 6039 B 0.5 B 05 |
JIS S 6039 油性ボールペンレフィル公文書用 B EF JIS S 6039 公文書用 B EF JIS S 6039 DOC B EF DOC B EF JIS S 6039 DOC B 0.5 DOC B 05 |
ISO規格の場合一般筆記用と公文書用で規格が分かれているため、例えばボール径0.7mmでG2型の公文書用リフィルの場合、以下のような表示になる。
例2) 使い切り方式でボール径0.5mmの場合、以下の様な表示になる。
一般筆記用 | 公文書用 |
JIS S 6039 油性ボールペン EF JIS S 6039 EF EF JIS S 6039 0.5 05 |
JIS S 6039 油性ボールペン公文書用 EF JIS S 6039 公文書用 EF JIS S 6039 DOC EF DOC EF JIS S 6039 DOC 0.5 DOC 05 |
JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル 11 表示
11 表示
この規格の全ての要求事項に適合した水性ボールペン又はレフィルには,本体に次の事項を表示する。ただし,b)~d)は消費者包装単位4)ごとに表示してもよい。
なお,b)は省略してもよい(例1及び例2参照)。
注4) ブリスター包装,スキンパック,1本袋,セット物などの消費者の手元に渡る包装をいう。
a) 製造業者名若しくは供給業者名又はこれらの略号若しくは商標
b) 規格番号
c) 製品名称
d) 種類
1) 用途及び構造による区分:公文書用の場合 は“公文書用”又は“DOC”。一般筆記用で耐水性のものは“耐水性”又は“WR”。
2) レフィルの形状及び寸法による区分:レフィルの形式を示す記号
3) 筆記線幅及びボールの直径による区分:筆記線幅の区分記号及びボールの直径の呼び5)。
注5) ここでいう呼びとは,公差をもった狙い寸法をいう。
e) 製造年月又はその略号
例1) リフィル交換方式で、リフィルの形式がA、かつボール径0.5mmの場合、以下の様な表示になる。
一般筆記用 | 公文書用 |
JIS S 6054 水性ボールペンレフィル A EF JIS S 6054 A EF A EF JIS S 6054 A 0.5 A 05 |
JIS S 6054 水性ボールペンレフィル公文書用 A EF JIS S 6054 公文書用 A EF JIS S 6054 DOC A EF DOC A EF JIS S 6054 DOC A 0.5 DOC A 05 |
耐水性表示の場合: JIS S 6054 水性ボールペンレフィル A EF WR JIS S 6054 A EF WR A EF WR JIS S 6054 A 0.5 WR A 05 WR |
例2) 使い切り方式でボール径0.5mmの場合、以下の様な表示になる。
一般筆記用 | 公文書用 |
JIS S 6054 水性ボールペン EF JIS S 6054 EF EF JIS S 6054 0.5 05 |
JIS S 6054 水性ボールペン公文書用 EF JIS S 6054 公文書用 EF JIS S 6054 DOC EF DOC EF JIS S 6054 DOC 0.5 DOC A 05 |
耐水性表示の場合: JIS S 6054 水性ボールペン EF WR JIS S 6054 EF WR EF WR JIS S 6054 0.5 WR 05 WR |
JIS S 6061:2020 ゲルインキボールペン及びレフィル 11 表示
11 表示
この規格の全ての要求事項に適合したゲルインキボールペン又はレフィルには,本体に次の事項を表示する。ただし,b)~d)は消費者包装単位4)ごとに表示してもよい。
なお,b)は省略してもよい(例1及び例2参照)。
注4) ブリスター包装,スキンパック,1本袋,セット物などの消費者の手元に渡る包装をいう。
a) 製造業者名若しくは供給業者名又はこれらの略号若しくは商標
b) 規格番号
c) 製品名称
d) 種類
1) 用途及び構造による区分:公文書用の場合 は“公文書用”又は“DOC”。一般筆記用で耐水性のものは“耐水性”又は“WR”
2) レフィルの形状及び寸法による区分:レフィルの形式を示す記号
3) 筆記線幅及びボールの直径による区分:筆記線幅の区分記号及びボールの直径の呼び5)
注5) ここでいう呼びとは,公差をもったねらいの寸法をいう。
e) 製造年月又はその略号
例1) リフィル交換方式で、リフィルの形式がK、かつボール径0.5mmの場合、以下の様な表示になる。
一般筆記用 | 公文書用 |
JIS S 6061 ゲルインキボールペンレフィル K EF JIS S 6061 K EF K EF JIS S 6061 K 0.5 JIS S 6061 K 05 K 0.5 K 05 |
JIS S 6061 ゲルインキボールペンレフィル公文書用 K EF JIS S 6061 公文書用 K EF JIS S 6061 DOC K EF DOC K EF JIS S 6061 DOC K 0.5 JIS S 6061 DOC K 05 DOC K 0.5 DOC K 05 |
耐水性表示の場合: JIS S 6061 ゲルインキボールペンレフィル K EF WR JIS S 6061 K EF WR K EF WR JIS S 6061 K 0.5 WR JIS S 6061 K 05 耐水性 K 0.5 WR K 05 WR |
例2) 使い切り方式でボール径0.5mmの場合、以下の様な表示になる。
一般筆記用 | 公文書用 |
JIS S 6061 ゲルインキボールペン EF JIS S 6061 EF EF JIS S 6061 0.5 JIS S 6061 05 0.5 05 |
JIS S 6061 ゲルインキボールペン公文書用 EF JIS S 6061 公文書用 EF JIS S 6061 DOC EF DOC EF JIS S 6061 DOC 0.5 JIS S 6061 DOC 05 DOC 0.5 DOC 05 |
耐水性表示の場合: JIS S 6061 ゲルインキボールペン EF WR JIS S 6061 EF WR EF WR JIS S 6061 0.5 WR JIS S 6061 05 耐水性 0.5 WR 05 WR |
- 最終更新:2022-12-18 08:42:52